日本の時の移り変わりを静かに見守ってきた「城」。各地の城を訪れ、その地域の歴史や文化を学べば、そこで生きた人々の想いまでをも感じることができます。
新コラム「日本名城探訪記」では、全国各地を巡ってきた城好きスタッフが、様々なテーマでその魅力をご紹介します。
訪れた場所:小田原城、御幸の浜、大雄山最乗寺
訪れた時期:2018年夏
ある晴れた夏の盛り、ふと思い立って小田原城を訪ねた。
江戸時代には東海道有数の宿場として栄えた小田原は、今も交通の要衝だ。
駅に飾られた巨大な小田原提灯が行き交う人々を見守る。
小田原駅から歩いて10分ほどでいかにも城らしい風景に出会える。写真は二の丸隅櫓と学橋(まなびばし)。
左手奥にはすでに天守が顔をのぞかせている。駅から近いのも小田原城の魅力だ。
住吉橋を渡り銅門(あかがねもん)へ。
公式サイトで「正規登城ルート」としておすすめされているだけあって雰囲気が良い。気分が高まる。
重厚な構えの銅門。
これをくぐると二の丸に出る。いまにもそこの陰からお侍が出てきそうだ。
本丸に立つ天守。戦後の再建で、内部は小田原城の歴史に関する展示施設になっている。
天守最上階からの眺め。南に目を向けると眼下には相模湾が広がる。夏らしい青い海だ。
天守から海を見ていたら浜辺に出たくなった。この日は風も強く、遊泳禁止の赤い旗が出ていた。
小田原城からほど近いこの砂浜は「御幸の浜」と呼ばれている。
帰るにはまだ早いので、大雄山最乗寺(道了尊)にお参りすることにした。
小田原駅から大雄山線に揺られること20分、終点の大雄山駅に着いた。
ここからはバスに乗るのが一般的だが、途中の杉並木が美しいと聞いたので歩くことにする。
1時間ほどの道のりだ。
しばらく市街地を歩くと仁王門が見えてくる。ここから遊歩道が続く。
すがすがしい木の香りが周囲に満ちる。
「てんぐのこみち」と名づけられた遊歩道。最乗寺には天狗伝説が残る。
ゴールに到着。心地よい疲れを感じながら木陰のベンチに座る。
ふと目を上げるとサルスベリが鮮やかな紅い花を咲かせていた。
小田原城は、これから城巡りを始めたい人におすすめの城だ。
各所からのアクセスも良く、城以外の周辺の見どころも豊富で万人が楽しめるだろう。
次回、お楽しみに。
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