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第10回 韓国・キムチ

第10回 韓国・キムチ

2021/02/24

 K-POPや韓流ドラマで注目を集めている韓国。グルメも大人気で、甘辛な「チーズタッカルビ」や、韓国式チーズドッグ「ハットグ」が一時ブームとなりました。
 そんな韓国料理の中でも欠かせないのがキムチ。今回は、健康や美容にもよいとされるキムチのお話をご紹介します。

元々キムチは赤くなかった!? キムチの歴史

キムチ

 キムチの起源は、紀元前の中国。中国の書物「詩経」に、漬物についての記述があり、それがキムチのルーツだといわれています。それが戦乱の時代に中国から朝鮮半島に伝わり、漬物文化が広まりました。
 キムチといえば、唐辛子で真っ赤に染まったイメージですが、当時の漬物は唐辛子を使わない塩漬けや醤油漬けが主流でした。唐辛子が朝鮮半島に伝来するのは朝鮮時代の中頃で、唐辛子入りのキムチが広く普及するのはなんと18世紀頃。しかも、この当時は糸唐辛子を飾りとして使う程度だったそうです。
 糸唐辛子から粉の唐辛子が使われるようになったのは、20世紀に入ってからでした。粉唐辛子を入れた赤いキムチは、朝鮮半島南部で好まれ、次第に北へと普及。朝鮮戦争によって、半島全土に広まりました。

冬の風物詩・キムジャン

 朝鮮半島の冬は厳しく、野菜を手に入れるのも難しいため、本格的な冬が訪れる前にキムチを漬けます。この文化は「キムジャン」と呼ばれ、11月から12月にかけて家族や親戚総出でキムチ作りが行われます。親族と顔を合わせて近況を伝える場でもあり、ユネスコの無形文化遺産にも登録されています。

ポサム

 このキムジャンで欠かせないのが「ポサム(ゆで豚)」。キムチを漬け終わった後、ポサムと一緒に、塩漬けした白菜と粉唐辛子入りのキムチを一緒に食べる習慣があります。ポサムには豚バラ肉がよく使われますが、ゆでることで脂が落ちるので、とてもヘルシーな料理です。

韓国の首都・ソウルってどんなところ?

 韓国は日本の約4分の1の大きさで、人口は5178万人ほど。東京からは飛行機で2時間半と、日本に非常に近い国です。
 首都・ソウルには韓国のトレンドが集まり、特に繁華街の明洞はファッションやコスメ、グルメを楽しむのにぴったりのスポットです。その一方、古い建物も残っており、朝鮮時代に建てられた景福宮や世界遺産に登録された昌徳宮を見ることができます。

景福宮
1395年に建てられた景福宮。その中心にある勤政殿は、王の即位式や公式行事に使用されていました。

 11月になると、ソウルではキムジャン文化を体験できる「ソウルキムジャン文化祭」が開かれます。このお祭りのメインイベント「キムジャン分かち合い」では、毎年約5000人が集まり、50トンもの白菜でキムチを作って分かち合います。その他、通訳サポートがついた外国人用のプログラムや、キムチに関する展示が豊富なミュージアムなど、キムチにまつわる様々な体験や講座を楽しむことができます。

 さて、冬の韓国でキムチを堪能した後は、暖かな東南アジアへ向かいましょう。1万を超える島からなる国・インドネシアの料理をご紹介します。どうぞお楽しみに。

[Reference]
外務省「大韓民国基礎データ」(閲覧:2021年2月18日)
韓国観光公社(閲覧:2021年2月18日)
韓国農水産食品流通公社(閲覧:2021年2月18日)
ソウル観光財団(閲覧:2021年2月18日)

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