人口約2.6億人、1万4000を超える島々からなる、世界最大の島国・インドネシア。島によって民族が異なり、言葉や文化にも違いがある多様性豊かな国です。もちろん料理もバリエーションが豊富。今回はその一部をご紹介します。
中国起源のインドネシア料理:ナシゴレン/ミーゴレン
インドネシアの主食は米。紀元前2300年に、オーストロネシア族という民族によって持ち込まれ、現在ではなんと、平均して毎年一人あたり200 kg以上が消費されています(日本の米の消費量は、2018年時点で一人あたり53.5 kg)。
米を使った、有名なインドネシア料理といえば、「ナシゴレン(Nasi Goreng)」でしょうか。インドネシアの料理名は「食材+調理法」となっており、ナシゴレンは「米(Nasi)+炒める(Goreng)」という意味。米の生産が盛んなジャワ島のものが一般的で、にんにくや唐辛子、スパイスの風味を楽しめます。元々は中国が起源ですが、インドネシア人好みにアレンジされ、現在ではインドネシアに根付いた一品です。
同じく中国から影響を受けているのが「ミーゴレン(Mie Goreng)」。麺(Mie)を炒めた日本の焼きそばのような料理ですが、もっちりとした太麺が特徴です。ジャワ島では、ヤシ砂糖やピーナッツ、ココナッツミルクなどを使った甘めのコクがある味付けが好まれ、このミーゴレンも日本の焼きそばと比べると、甘みがあります。
インドネシアの稲作の中心・ジャワ島ってどんな島?
稲がよく実るジャワ島は、人気の観光スポット・バリ島の西に位置しており、インドネシア国内で最も人口が多い島です。首都・ジャカルタがあり、政治・経済の中枢として発展する一方、歴史ある遺跡や豊かな自然が残っています。中でも1991年に世界遺産に登録された仏教寺院・ボロブドゥールやヒンドゥー教寺院・プランバナンが有名。精巧につくられた寺院群に圧倒されること間違いなしです。
また、ブロモ山もジャワ島の雄大な自然を感じられるおすすめのスポット。ジャワ島の東側にあるこの火山では、年に一度、満月の晩にテンガル族という民族によって、山の怒りを鎮める儀式が行われます。山の火口には馬で登ることができ、山の上から望む朝日が非常に幻想的です。
今回ご紹介したジャワ島はもちろん、コーヒーで有名なスマトラ島やスパイスの産地・マルク諸島など、インドネシアにはまだまだ美味しいものがたくさん。各島の味付けの違いや名産を調べてみるのも楽しいかもしれませんね。
さて、お料理旅が次に向かうのは、インドネシア同様、多くの民族が住むベトナム。食の宝庫とも言われる国の料理をどうぞお楽しみに。
[Reference]
「インドネシアのごはん」銀城康子文 加藤タカ絵 農山漁村文化協会
インドネシア共和国観光クリエイティブエコノミー省(閲覧:2021年3月30日)
外務省「インドネシアの「今」-日本・インドネシア国交樹立60周年」(閲覧:2021年3月30日)
農林水産省「年間1人当たりの米の消費量をおしえてください。」(閲覧:2021年3月30日)
JTB「ナシゴレンやミーゴレンだけじゃない!絶品インドネシア料理5選」(閲覧:2021年3月30日)
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